2012年5月5日の午後 釣り仲間で師匠、何でも知ってて丁寧に教えてくれる、釣り道具やアウトドアのツールは自分で作れる、高校時代サッカーで体を鍛え、渓や山を野生の動物のように歩き続ける精神力と肉体を持ち、勇猛果敢で世話好きの心優しいリーダー・・・・還暦を越えたばかり。その釣友Tさんが突然天国に旅立った。
今年も4月30日夜から私を含めいつもの釣り仲間と東北岩手の釣行が予定されていて、当日の午前中私に待ち合わせ時間の電話連絡が来ていた。Tさんは午後数人の仲間とすべての道具を車に積み込み準備完了、一旦自宅に戻り後は2時間後仲間が集合して出発を待つばかりとなりほっと一息ついた。その直後心臓の痛みを訴え救急車で病院に緊急搬送された。
意識はあり、救急車で同行する家族に釣行は中止すべきか聞かれて、まだ中止の連絡はしなくていいと言っていたという。
病院に到着し医師と話ができるくらいの状態だったが、話をしている途中に意識を失った。家族、駆けつけた釣り仲間、同級生、恩師が何度も何度も目を覚まして!起きて!もう一度釣りに行こう!・・・と呼びかけ続けた。でも二度と目を覚ますことはなかった。脳梗塞と心筋梗塞の併発が頑強な命の歩みに永久にストップをかける要因となった。
今年3月に熱海に釣りに連れて行ってもらったとき、頭が時々痛くなるので専門医に診てもらった、脳梗塞になっている部分があるけどまだ重症じゃないので様子を見ようと言われているっていう話をしていた。私の家族も今年2,3月に立て続けに心筋梗塞のカテーテル手術をして、父はペースメーカーを入れているので心臓のほうも診てもらったらいいんじゃないんですか・・・とか話し合っていたのに・・・・。たった1日の数分の体調の急変で命を失うことに。カテーテル手術で済むかもしれないなと早期の回復を信じて疑わなかったけれど、タイミング的に悪い条件が整い過ぎてしまっていた。
本当にどうにかできなかったんだろうか。現代の医科学の力でもっとどうにかできただろうと思うとなおさら残念だ。悔しい。
この先もっと楽しいことが沢山待っていたと思う。もっとずっと一緒に釣りをしていたかった。いろんなことを教えてほしかった。家族にも仲間の心にも大きな穴がぽっかり開いてしまった。さびしい。今でも起こったことを受け入れることができない。
Tさんには20年くらい前に出会った。自分の大好きな釣りの人生の中でとても大きな柱となっていた。職場も、仕事も、遊びも、育った環境も人間関係もまったく異なる世界の人。テニスサークルの友人に一緒に秋田に釣りに行かない?って誘われた時から始まった。少し年上の兄貴みたいな人たちだから安心してと言われて。
会えるのは春と秋の連休の年2回のキャンプ釣行だった。毎日毎日東京に通勤し隣のビルの壁を窓から眺め、デスクワークに忙殺されていたサラリーマンの自分にとっては大自然の中で釣りを心置きなく楽しめる重要かつ希望に満ち溢れたイベントだった。
ひょこっと現れた私を仲間に入れて分け隔てな快く接してくれた。ときにはきつい冗談を言い合って大声で笑い美味しい酒を酌み交わした。畑違いのサラリーマンが知らない別の世の中のいろんなことを教えてもらった。親切にしてもらった。
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